更新  02/15/2005 2004年スマトラ沖地震環境学研究科調査チーム

 

スマトラ沖地震・津波の映像Blog

スマトラ地震(木股)


今回の地震で最大の被害を被ったスマトラ アチェにて、日本から6名、バンドン工科大学から1名の調査団は、現地のSyiah Kuala大学の研究者と共にアチェ市内で面談調査と津波・地殻変動の調査を、6日午後から12日午前まで取り組んだ。海岸線から3kmのところまでに位置するほとんどの建物が破壊され、市街地から海が眺められる風景にまず唖然とした。生存者率10%以下という集落での聞き取り調査は壮絶な内容だった。想像つかない規模の津波の襲撃、イスラム世界、独立運動、さまざまな思いが入り交じる中、アチェの人々の生活が再開されていた。調査団は、14mを超える津波の襲撃のなか、妻子を亡くし、家族を失いながらも生きた人々の一言一言を一人でも多くの人々に伝えたい衝動に駆られている。 報告会に関する問い合わせは 木股@地震火山センター まで。

はじめに

 黒田研究科長らの協力で、環境学研究科から今回のスマトラ沖地震に関する緊急学術調査隊を派遣することが実現された。文理融合の新たな学術研究を目指す環境学研究科として、スマトラ沖地震被害を社会科学の分野と自然科学の分野,いわゆる学際的観点から把握することは重要と考える。

  すでに政府などからの調査委員も派遣されている。しかし、これらの調査活動とは異なる観点からスマトラ沖地震被害を考察することも必要である。今回の調査活動を通して、今まで進めてきたインドネシアとの国際共同研究を推進したいと考える。ITBのみならず、スマトラのアチェのUNSYAH大学と地震後ながらもコンタクトが取れ、今回の調査にも地球物理学の若手研究者の参加が実現した。

 
地震が巨大だけに、被害調査は短期間で終了するものでなく、これから長期にわたり継続して調査研究することが求められる。このような観点からも、今回の短期間の緊急調査研究を今後の国際共同研究へと発展させたいと考える。幸いにして、環境学研究科では東南アジアや東アジアをフィールドとする研究者も少なくない。本格的な総合学術調査への発展の契機としたいものである。

今回の調査の目的
すでに、32mに達する津波の波高など、科研費の調査グループなどから報告されている。今回の調査は実働6日間という期間の中で以下の点を明確にした。
1)地震と津波襲撃時における住民の行動に関する聞き込み
 アチェでは地震襲撃から10−20分ほどで津波の襲撃を迎えた。この10−20分間における生死を分けた行動について、可能な限り多くの住民から聞き込み調査を実施したい。そして、防災心理学や集落の共同体という観点から検討してみたい。
2)アチェ周辺における地殻変動の検出
 IKNOSスマトラ北部のパダンアチェに入り、襲った地震波動や津波の実像を明確にすると同時に、それによる被害を調査する。被害については、全体像の把握よりも、特定のフィールドを選定し、聞き取りなどの手法により、その被害構造を明確にする。被災を明確にするために、住民への聞き込み調査が非常に重要であり、現地に長けた通訳と案内ガイドが絶対的に必要である。

2005年2月 調査団を代表して 安藤雅孝

メンバー

安藤雅孝
Masataka ANDO
田中重好
Shigeyoshi TANAKA
木村玲欧
Reo KIMURA
木股文昭
Fumiaki KIMATA
地震火山・防災センター センター長 教授 環境学研究科
社会環境学専攻 教授
災害対策室 助手 地震火山・防災センター 研究員 地震火山・防災センター 助教授 豊橋技術科学大学院
物質工学系 博士課程
地震学一般 社会学 防災心理学 地震学一般 地震学地殻変動 工業化学
南海道地震で学位を取得し、プレート沈み込み帯の研究では世界的な業績を残す。アジアでは台湾、フィリピンの巨大地震に取り組む。インドネシアは初の調査になる。

弘前大学で日本海中部地震,三陸はるか沖地震の津波被害調査にあたる。村や町内会といったコミュニティレベルからの被害調査する。今回も村人から貴重な証言を集めたい。

大学では心理学を学び、大学院で防災学を学ぶ。先日の三河地震60年講演会では、対談形式で被災者の話を見事にクローズアップした。  フィリピンの火山調査所から、京大で学位を得て、名古屋大学で研究員をしている。ルソン島を襲った津波では現地調査から震源の再検討を試みている。  1989年、GPS観測でスマトラ山中を4週間彷徨する。その後。毎年数回、インドネシアを訪れ、火山やプレート運動の研究に取り組む。

日本に来て5年目になろうとする。アチェで生まれアチェの大学を卒業。アチェでの現地ガイドとアチェ大学の研究者との橋渡しを果たそうと頑張る。

インドネシア側

SUHIRMAN SH
Institute of Technology, Bandung, Indonesia

Marwan abubakar , MT
Syiah Kuala University,
Aceh, INDONESIA

Fadhli, MSi
Syiah Kuala University,
Aceh, INDONESIA

Syukri Surbakt, MT
Syiah Kuala University,
Aceh, INDONESIA
Didik Sugiyanto
Syiah Kuala University,
Aceh, INDONESIA
Anthropology and Law       Geophysics

日程

Feb.5

Nagoya 09:00 JAL054 10:05 Narita; Narita 11:45 JAL723 18:30 Kuala Lumpuru (stay:Kuala Lumpuru)

Feb.6 Kuala Lumpuru 09:30 GA913 09:25 Medan; Medan 12:20 GA192  13:20 BandaAceh
夜 Syiah Kuala University の研究者との研究打ち合わせ
Feb.7

午前 日本大使館アチェ出張所への挨拶と警察への居住許可申請

午後 UNSYAHの副学長らと今回の研究目的、今後の研究協力に関する打ち合わせ

Feb.8 アチェ市内での津波被害調査
Feb.9 アチェ市内での津波被害調査と聞き取り調査
Feb.10

午前 UNSYAでのGPS観測点設置とGPS観測

午後 アチェ周辺で聞き取り調査

Feb.11

午前 UNSYAでの学生への講義、聞き取り調査

午後 西海岸での津波被害調査と聞き取り調査

Feb.12

午前 市街地での津波被害調査と記録の整理
午後  BandAceh 14:00 GA193 14:55 Medan;  Medan 15:35 GA195 17:10 Jalarta; Jakarta 23:40 JAL714
08:15(Feb.13) Kansai


アチェ市の情報
アチェの地図

インドネシアの日本大使館
バンダ・アチェ臨時事務所
  住所:No.8 Jl. Kebun Raja, Lam Tineung, Kecamatan Shiah Kuala, Indonesia
  電話: (62-811) 15-3791 FAX : (62-815) 1026-7478
在インドネシア日本国大使館(在ジャカルタ日本国総領事館)
  住所:Jl. M.H. Thamrin No.24, Jakarta 10350, Indonesia
  電話: (62-21) 3192-4308 FAX : (62-21) 3192-5460
  ホームページ: http://www.id.emb-japan.go.jp/
在メダン日本国総領事館
  住所:Wisma BII 5F, Jl.P.Diponegoro No.18, Medan, North Sumatra, Indonesia
  電話: (62-61) 457-5193 FAX : (62-61) 457-4560

インドネシア政府は主に次の事項を定めています。
(1)外国の援助機関は、現地での受け入れ先(スポンサー)を明確にすること。
(2)外国の援助機関は活動期間を制限し、活動場所を指定すること。
(3)外国人は、バンダ・アチェに到着後、直ちに現地の国家警察司令本部(Posko Police)に出頭すること。
(4)現地の国家警察司令本部は、出頭した外国人に旅行証(Surat Jalan)を与えること。


アチェ市の状況 ホテルとレンタカー
ホテルは壊滅的で利用できない状況にあるそうです。その代わり、彼の友人宅などを4部屋1泊$300で借用します(普段の費用より数倍高いが、時が時でしかたなし)。普通は、食事も含まれています。もちろん、ミー(ラーメン)やナシゴレン(チャーハン)など現地食です。嗜好品がある人は持参ください。ラーメンと米はあるとのこと。現地食のほうがコレラになることも少なくお奨めです。なお、水道の復旧が進んでいなくて、シャワーは不自由のままです。洗濯も不十分と考えて下さい。飲料水はペットボトル(アクア)、購入できるとのこと。ビタミン剤は持参した方がよい。コレラなどの予防接種は名駅松坂屋の県パスポートセンターで可能。
夜でも暑いですが、蚊対策を考えると、長袖とズボンをお奨めします。蚊取り線香は現地で手に入ります。スプレー形式の小型を持参(機内には持ち込まない)したほうが良さそうです。
レンタカーは知人や友人のものを運転手付で借用するしかありません。これも急騰し、1日$100の相場になっています。

UNSYAH (Syiah Kuala University)との交流   http://www.unsyiah.ac.id/
7日そうそうにUNSYAHの学長などと挨拶と打ち合わせを設定します。UNSYAHにはCivil engineering, Architecture, Mechanical Engineering, Chemical Engineering, Electric Engineering, Faculty of Agriculture, Faculty of Scienceがあり、教員の1/3は日本で学位をとっているようです。名古屋大学出身者も見つかります。
地震チームは、Didikさんらと行動を共にして、アチェの沈下状況を明確にしたいと考えます。衛星写真だけでも1mほど沈降したと考えられます。現在も街の半分が水没しています。

 


 
 

 

2004年