特別セミナー 2012/12/12


日時: 2012年12月12日(水)10:30-11:30
場所: 地震火山研究センターセミナー室(E411)
講演者: 鹿倉洋介(地震火山研究センター研究員)
タイトル: NKTZ東西圧縮と南海トラフ地震に伴う西南日本活断層のΔCFF長期変化





要旨:

 近畿地方周辺には東西圧縮場により多くの内陸活断層が存在しているが, 南海トラフ巨大地震の発生前50年から後10年に西南日本で内陸地震活動が増すことから,南海トラフ巨大地震が内陸地震発生に影響を与えていると推測されている。 本研究では,弾性・粘弾性水平成層構造を仮定し,NKTZ東西圧縮・ 南海トラフの固着と地震発生・内陸地震の発生に伴う断層上の応力変化を計算した。すると,南海トラフ地震による弾性的なΔCFFは,逆断層では低下し,震源域の北の横ずれ断層では上昇した。 これは,NKTZ東西圧縮によるメカニズムごとの断層走向と,南海トラフ地震に伴う引張方向の傾向による。 また,計算結果は歴史記録による地震発生履歴と調和的な結果となった。


感想:

 内陸活断層の活動と南海トラフ海溝型巨大地震サイクルとの関係についての発表で,とても興味深いものでした。南海トラフの巨大地震による応力攪乱(ΔCFF)は,内陸活断層地震のstress drop,すなわち,溜めうる応力に比べてはるかに小さいのですが,内陸活断層への応力蓄積レートは非常にゆっくりとしたものであり,南海トラフ巨大地震のサイクル期間では,その応力の絶対値は有意に揺らぎます。そのことにより,内陸活断層の地震は,南海トラフの巨大地震の発生時期の前後に発生する確率が高くなるのです。 歴史的な内陸地震の発生が南海トラフ巨大地震の発生と強く相関しているという現象は分かっていたのですが,その現象を物理的に示したこの研究はとても重要なものだと感じました。 鹿倉研究員の研究内容は,自分の研究内容と非常に関係が深いため,個人的にとても興味がわきました。今後,鹿倉研究員とは議論を重ね,多くのことを学んでいきたいと思います。

D1 篠島僚平



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