特別セミナー
日時:2007年3月15日(月) 14:00-
場所:環境総合館4F災害対策室ホール
タイトルおよび講師:
「温度構造と地震発生下限」 田中明子氏(産総研)
「地盤沈下地域に対するInSAR技術の適用」 三尾有年氏(CCS)





[講演者紹介]

 今回の特別セミナーの2名の講演者は元センター長の藤井直之名誉教授とともに、古くから一緒に研究されておりいわば旧知の間柄です。現在、田中明子氏は産業技術総合研究所に所属しており、2006年地震学会にて"古本(2006)の「本震と最大余震のマグニチュードの差と地殻熱流量」についてのコメント"というタイトルで発表されており、大変インパクトのあるお話が聞けると期待しております。一方、三尾有年氏はIn-SARの解析には古くから着手しており、テクニカルなところも含めて、おもしろいお話が聞けると期待しております。

[セミナーの感想]

 今回はIn-SARの話を中心に様々な話題に関する講演でした。田中氏は元センター長の藤井直之名誉教授の数多くのお弟子のうちの一人です。本講演では、今まで研究されてきた事柄についての概要を話されたのち、特に最近は日本の地温勾配のデータを整理し、出版していることから、温度構造と地震発生の下限の詳細な話を聞くことができた。最近では、地下の温度勾配の観測データもかなり蓄積されており、地震発生の下限と熱流量についての議論が出来るようになった。しかしながら、世界的にはまだデータは不足しており、地域差を議論することはまだ出来ないとのことでした。また、In-SARに関する話題についても取り上げ、InーSARが地球科学に与えるインパクトについての話もあった。
 一方、三尾氏はIn-SARの研究としてはかなりの初期の段階から藤井直之名誉教授とともに着手しており、現在では、In-SARの解析プログラムを作成しているとのことで、他の研究者の方とは一線を画した内容でした。In-SARの解析はGPSのような時間分解能はありませんが、空間的な分解能があることが特徴です。空間分解能があるため、今まで見えて来なかった地殻変動現象まで見えてきたとのことでした。例として、千葉県の地盤沈下のモニタリングを挙げており、そこでは明瞭な地盤沈下がIn-SARに発見されました。この地盤沈下の空間分布は水準測量から得られた空間分布と整合性があるとのことでした。また、同じ地域で水準測量から隆起が観測されていたが、空間分解能が無いため原因の特定までは至らなかったが、In-SARによって、その隆起のピークの位置を特定することが出来たなど、In-SARの威力を発揮する事例が数多く発表された。今後、当センターでも、In-SARの解析に力をいれて取り組みたいと考えている。

(講演者紹介および感想文:地震火山・防災研究センター助手 伊藤武男)



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